救命救急センターで学んだこと
こんばんは。
Kenpapaです。
今日は、新卒から2018年の12月末まで約8年間勤務していた病院で学んだことについて、振り返りながら書いていきたいと思います。
~入職のきっかけ~
そもそも看護師の道を選んだきっかけは、近親者の死を経験し、「いつかまた身近な人に何かあったときに後悔したくない・・・」という思いからでした。
それなら医者でもええやんっていう話なんですが、学力とお金の問題や、母が看護師をしていた影響が大きかったですね。
大学卒業後の進路を考えた時には、「とりあえず救急で!」っていうなんともシンプルな決断でした。
消防に入職して救急車に乗って働いていた友人に、「どっか搬送先でいい病院ある?」と尋ねて、最初に名前が挙がったのが入職することになった病院でした。
いま考えるとなかなか斬新な質問ですね。
そこから一度見学して、なんとなーく良いなと思ったので、特に他の病院は見学せずこの病院に決めました。
~救命センターの概要~
初療室、ICU、救急病棟で構成されている救命センター。
入職して知ったのは、一応救急の世界では老舗で、どこに行っても名が知られている病院だったこと。
診れない領域はあるが特に外傷診療が強い。
ドクターカーを超積極的に運用している。
などなどの特色がある、なんとも濃ゆい救命センターでした。
~地獄の一年目~
いやーしんどかった。笑
他の看護師さんもそうだとは思いますが、やっぱり一年目が一番しんどかったなと。。
なにをやるにも先輩の目があるプレッシャーはやはり相当なストレスでしたね。
なんでもこいの領域なので、とにかく勉強しないといけない幅が広い。
ICUに配属になったのですが、重症度が非常に高く、GeneralのICUのように予定された経過をたどるわけではないので、予想外のことが日常でした。
当時はよくも悪くも愛のムチをふるってくださる先輩方がたくさんおり、それはもう毎日帰宅と同時に気絶してしまうような日々でした。
いま思い返すと、あの一年間があったからこそどんことでも乗り越えられる忍耐力がついたのかなーと思います。
きつい中でも、「いつか先輩みたいにかっこいい看護師になりたい!」みたいなキラキラした思いはずっと持っていたように感じます。
厳しさに耐えきれず、去っていった同期もいました。。
~最初の転機、ER研修~
ICU看護師としてぼちぼち一人前になってきた3年目の夏ごろから、ER研修が始まりました。あんまり医療ドラマは見ないほうですが、まさに救命病棟24時といった感じの現場です。普段温厚な医師も、なにかに取りつかれたような形相で診療にあたっているのを見たときは衝撃でした。そんな過酷な現場でしたが、診療の補助という点でのレベルアップは確実にできたかなと思います。
またそれと同時に、「救急看護とはなにか」「そこに看護師がいる意味とは」みたいなことを考え始めるきかっけにもなりました。
~花形ポジション、ドクターカー~
5年目を迎えた時についにやってきました。ドクターカー研修です。
ドクターカーといっても転院のためだけに運用している病院が多い中、わたしがいた救命センターのドクターカーは超積極的な運用をしていることで有名でした。
一般人から消防へのの通報時にキーワードに該当したとき(胸が痛い、意識がない等)、救急車と同時にドクターカーも出動するかたちでした。
現場が病院から近ければ救急隊よりも早く到着するなんてこともありました。
構成員は医師1名、看護師1名、救命士1~3名、ドライバー1名。
つまり、看護師も医師もひとりなんです。
自分の判断、対応が患者さんの命に直結する、しかも他の人に頼ることができない環境での活動は、想像を絶するプレッシャーでした。
ドクターカーに乗務することで満足しているスタッフもいましたが、わたしはER研修の時と同様に、「プレホスピタルケアとはなにか」「ドクターカーに看護師が乗る意味はなにか」といった問いに悩むことになりました。
~やっぱり集中治療が好き~
救命センターで学べることとして、大きく分けて3つの看護がありました。
救急看護、集中治療看護、災害看護の3つです。
その中で自分がもっと能力を高めたいなと思ったのが集中治療でした。
救急、災害を極めようとしている先輩たちはたくさんいましたが、集中治療という点でモデルケースとなる人がいない状況になり、それが転職のきっかけへとつながっていきました。
~救命センターで学んだこと~
だらだら書いてしまいましたが、最後にまとめると、
・幅広い分野の病態生理の知識
・重症患者のアセスメント力
・ERやドクターカーでの瞬発的な診療補助能力
・救急看護とはなにか
・プレホスピタルケアとはなにか
・集中治療の楽しさ
・地域の救命士さんとの顔の見える関係
・看護師としての基本、心構え
あげればキリがないですが、とりあえずこんなところで。
辞めるときに思ったのは、「とりあえず救急で!」は間違ってなかったな。