Oyaji Nurse 特定看護師への道

特定行為研修(特定行為に係る看護師の研修制度)を中心に、オヤジナースの日常を綴る備忘録。

わたしが転職を決めた理由

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こんばんは。

Kenpapaです。

 

私は2018年の年末に、新卒から約8年間働いた病院を退職しました。

そして2019年の2月から新天地での仕事に就いています。

 

今回は「なぜ転職することに至ったか」について書いていきたいと思います。

いわゆる中堅という層で、今後の進路に迷っているという方にとっては共感していただける部分もあるかと思います。

 

1.スキルアップとステップアップ

以前の記事でも書きましたが、私が新卒で入職したのは、救命救急センターICUでした。

救急科のICUですので、高度な心臓血管外科や脳外科の手術後の患者さんはいませんが、ほぼオールジャンルといっていいほどの多彩な疾患の患者さんが入院している場所でした。新卒にとっては出だしから勉強する幅がとんでもなく広く、それは大変なスタートでしたが、そのぶんアセスメント能力重症患者をケアする力は身につけることができました。自分の能力が伸び続けてるなーと実感していたのは大体6年目ぐらいで、あとはあまり伸ばせていないなーと自分で感じていました。心臓血管外科や脳外科、小児救急の症例はなく、自分が看れないジャンルがあることも気がかりでした。つまり自部署でのスキルアップに限界を感じるようになりました。

 

3年目でER研修、5年目でドクターカー研修という用意されたステップアップも終わり、管理職への昇進を除くステップアップはもうないかなといった状況でした。そして前病院ではマネジメントラダーは整備されておらず、救命センターの6年目以上の看護師は皆、ステップアップ難民といった状況でした。

 

2.キャリアビジョン、キャリアドリフトへの目覚め

そんなステップアップ難民になるまでは自分でも気づきませんでしたが、自分にとっては救命センターでの仕事自体のやりがいが報酬になっていました。5年目でドクターカーナースとして乗務し、それなりに経験を積み、自信をもって患者対応ができるようになり(もちろん怖さは常にありますが)、自施設のいち看護師としての限界にいるなと感じ、このままでは成長がないと思い、急にやりがいを見失いました。そんな時にふと自分の給与明細を見た時に(それまではあんまり見てなかった)、「もうすぐ30歳やのにめっちゃ安いやん・・・。てゆうか委員会とかで日勤が増えて夜勤が減ったぶん昔より下がってる。」と思いました。それまでは給料はほとんど気にならなかったことを自覚し、「これまではやりがいが報酬だったんだなー」と感じました。そこから自己のキャリアビジョンについて真剣に考えるようになりました。

 

3.エキスパートかジェネラリストか

この選択は中堅看護師が必ず向き合わなければならないものではないでしょうか。若手のころは「俺はとことん集中治療のエキスパートになってやるんだ!」と意気込んでいました。プリセプターを担った4年目のころから、教育に興味が沸くようになり、教育委員会へ希望して入り、院内の研修を企画するようになりました。はたまた3年目から5年目までICUの師長を担った方のマネジメント能力を見て、看護管理にも興味が沸きました。つまりいろんなことに興味が移り変わっているような状態でした

キャリアを考えた時に自己の選択肢として挙がったのは、以下のような感じでした。

・集中治療のエキスパート(認定、専門看護師など)

・教育の勉強をする(大学院)

・看護管理を学ぶ(大学院)

・病院以外での職に就く(訪問看護ベンチャー系)

・九州でスローライフ→結構ガチで考えていました。

こんな感じで、ぐちゃぐちゃの頭の中を整理するために自問自答しながら悶々とした日々を送っていました。ひとりで考えても答えは出ないと思い、病院内外での様々な人と話す機会を作りました。特定看護師の1期生として病院を巣立っていった先輩や、訪問看護コンサルティングを自営業としてやってる凄腕の年下看護師など、自分が知らない世界の話をたくさん聞きました。

 

4.自分がやりたいこと

様々な人と話す中で、少しづつ自分の中で答えがまとまってきました。その答えというのは、ICUの師長になって、スタッフがいきいきと楽しく働けて、患者さんにいいケアを提供できるICUを作りたい!」といった感じのものでした。数年後に同じことを言ってるとは限りませんが、これがいまの私の目標になりました。

前項で述べた選択肢のうち、エキスパート、教育、看護管理のすべてを含んだステップになるかなと考えました。

 

5.じゃあ誰を目標にするの

私は自分のプリセプターに最初に言われたことを今でも覚えています。

「自分の目標となる看護師を見つけなさい。そしてその人との距離を自分で測り続けなさい。」ということです。目標がなければ、自己の成長を測ることもできませんし、なにより自己流での成長には限界があります。その教えを自分の後輩たちにも同様に指導してきました。

看護管理とエキスパートを同時に伸ばしたいと考え、周りを見渡した時に、私にとって目標にしたい看護師というのは、院内にはいませんでした。

前病院は看護管理については後進的で、マネジメントラダーはなく、管理職は皆、年功序列で昇進しているといった状況でした。ICUでも管理と呼べる機能は果たしておらず、離職者が増えた分析もろくに行われていない状況に、人財を大事にしていないと感じざるを得ないような状態でした。そしてなによりICUの管理職が集中治療のエキスパートではないということが私にとって魅力的だと思えない一番の要因でした。

 

6.看護師としての師

自分がやりたいことは決まった。じゃあ誰を目標に。なんてことを考えているときに、自分のプリセプターと飲みに行く機会がありました。プリセプターとは実際1年しか一緒に働いておらず、私が2年目になる際に大学院に進学し、専門看護師となり、いまでは他施設のICUの師長として働いていました。指導を受けていたのは約7年前ですが、それはもう厳しく指導していただいていました。かなり遠回りな優しさでしたが、自分の看護師としての芯を作ってくれ、いまの自分があるのはそのプリセプターのおかげだと思っています。そんなプリセプターは、専門看護師として精力的に研究に取り組みながら、ICUの管理を熱意をもって実践していました。話をしている中で、「自分がやりたいことをまさに実践しているのはこの人だ!」と思い、「いつまでも向上心を持って前を走り続けているこの人についていきたい。」と強く感じました。そして結果的にプリセプターが師長を務めている病院に転職することを決めました。

 

まとめ

長々と書きましたが、わたしが転職を決めた理由としては、

・看護師としてのキャリアアップを叶えたい

・目標になる存在のもとで働きたい

・仕事にやりがいを求めたい

といったところになります。

まさかあんな怖かったひとのもとに舞い戻るとは・・・。

自分でも驚きですが、人生とはわからないものですね。

 

やっぱりせっかく看護師になったからには、悔いのない道を歩んでいきたい。

そして息子が大きくなったときに背中で語れるオヤジになりたい。

そんなモチベーションでいまは頑張っています!

とりあえず今は新しい電子カルテに奮闘している毎日です。